やみやみもみー!

思考を整理してアウトプットする場所が欲しかった。

読書感想文『も学』

こんにちは。結月もみじです。

先週後半からずっと沈んだ状態が続いていたんですが、なんとなく読んでみた本にかなり救われたので、また感想文と題してまとめておこうと思います。

著者の「個人的な」考え方に触れ、そこに共感しているうちに、何となく自分に寄り添ってもらえたような気がして、心が軽くなりました。これは一人でうんうん考えているだけでは得られない体験なので、やはり読書は良いものだなと思いました。

 

読んだ本

今回読んだのはこちら。

元アイドルで、今はシングルマザーとタレントを両立している最上もがさん。たまにネットニュースで見かける程度でしたが、何かで見かけたときに「どうも私と似た気質っぽい…?」と気になって、今回このエッセイ本を購入してみました。

章立てとしては「仕事・対人関係・親との関わり方」「自分の気質や病気との付き合い方」「性・LGBTQ・恋愛」「コンプレックス」「妊娠・出産・育児」という構成で、それぞれにまつわる彼女なりの考え方が語られています。

 

①「自分だけじゃなかったんだ」という感覚

みんなの期待に応えたい。けれどいつしか苛酷なスケジュールに体がついていかなくなって、(中略)頑張らなければというプレッシャーから、心はとっくに壊れていました。

なんでこうなってしまったんだろう?(P.51)

私がこのブログを始めたきっかけと酷似していて、うなずきすぎて赤べこになってました。私自身、これまでは優先順位を間違えて生きてきたと思っていて、「自分のことは一番後回しでいいと思っていたけれど、だからと言って誰かが私を幸せにしてくれるわけではない」「私は私を幸せにしてあげないといけない」というのは最近強く感じています。

彼女はここから「HSP」を自覚しています。HSPについては次項でまとめますが、私もおそらくHSPなんだろうなと気付けたことは大きかったと思います。

 

自分のメンタルが不安定になると、途端に些細なことでも疑うようになります。そういう時は人間関係を全て辞めてしまいたくなる衝動にかられ、「自分なんて必要とされていない」と連絡先を全て消したりしていました。でも必要とされたくて、寂しくて、そんな自分が本当に嫌いでした。(P.42)

ここも赤べこポイントでした。つい最近も「全部リセットしてしまおうか」と考えていたので、その要因が「相手に依存しすぎる」ことにあると気づけたのは大きな発見でした。

「自立とは依存先を増やすこと」だとどこかで聞きましたが、離婚して、楽団を1つ辞めたことの「しわ寄せ」が来ているのかなと感じています。キャパ的に趣味を増やすのは現実的ではないけれど、今の方が以前よりも「相談できる人が増えた」とも感じているので、まずは「ネコを被らない時間・相手」を増やしていけたらいいのかな、と思っています。

 

②弱みも強味、短所も長所

他の人よりも考えすぎる、というのが自分の欠点だと思っていた私はHSPという気質があるということを知ったとき、すごく腑に落ちて自分をやっと肯定できました。(P.53)

長所はまさに「気づけること」「考えられること」「共感できること」だと思います。(P.55)

Highly Sensitive Person、略してHSP。ざっくりいうと「感受性が強く、敏感な気質を持った人」という感じ。「気にしすぎる」「考えすぎる」「共感しすぎる」ところは私にもがっつり当てはまるポイントで、まさしく「欠点」だと思っていたのですが、これもHSPという気質であって、どれも長所になりうると。自信や自己肯定感が持てないところとも関わってくるのかなとは思いますが、「誰にでもできることじゃないんだぞ」とは思っていきたいです。

 

私の強みは負けず嫌いで向上心があり、”誰かのためなら頑張れる”ことかもしれません。(中略)使命感や責任感で生きて、「できないからやめよう」ではなく、「悔しい(自分に)ムカつく!やってやる!」これが原動力でした。自分のためだけに働いていたら続かなかったと思います。(P.108-109)

「誰かのためなら頑張れる」ことも強みなんだとしたら、方向性はそのままで、自分のキャパとか本音を大事にしてあげるくらいでいいのかもしれない。その方が自分らしさにつながるのかもしれない。そんな気がしました。

 

③誰かのせいにしていい

私は何度も自分と向き合い、なぜ、自分はこういう性格になってしまったのか?どうでもよくなってしまうスイッチはなんだろう、と考えるようになりました。(中略)

自己肯定感の低さは家庭環境によって作られたものだと気づいたんです。親や誰かのせいにしていい、そう言ってもらえたようで、心が少し楽になりました。(中略)

自分のダメな部分の原因を解き明かし、一部分だけでも誰かのせいにすることで少しでも自分自身を許してあげないと、一生自分を認められなかったと思います。(P.69-70)

私自身も前回までのワークによって「生きづらいのは父親のせいだ」と思えるようになりましたが、そんな私の背中をさらに強く押してくれました。これでいいんだと、自分が再スタートを切った方向性は間違っていないんだと、受け止めてもらえた感じがしました。

 

全体の感想とか

自分の生きづらさに対して、これまでは教科書的な本を「教材」として使ってきましたが、今回はエッセイという「一個人のお話」を読んでいくことで、「抽象→具体」の落とし込みができた気がします。そして何より、「これ、私だけじゃないんだ」って思えたことがとても大きかったです。自分と似た気質の人の言葉はすっと染み込んできてくれました。そして、彼女の考え方や生き様を見ながら、「だったら私もまだやれるんじゃないか」っていう方向に思考が傾いてくれて、今は気分も上向いてきています。

とはいえ病み上がりなので、無理せず、ぼちぼちやっていこうと思います。